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おくさまのすてきな暮らしっぷり。

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制服捜査。

制服捜査。_d0012167_14484515.jpg


今日も、暖かかったですね。
ピーチコパーチコと小鳥の囀りさえもう春って感じ。
こんなにぽかぽか陽気の日は豪華絢爛なお花見弁当なんかを食べたくなりますね。

苺。
昨日スーパーで半額シールが貼られていてひとパック249円也(税込)にてゲッチュー。
お上品にふた粒だけをお写真にてパシャリ☆
美味しいよ!
ってか、おくさまは苺は眺めてるだけで満足ざーます。

では・・・
本日はこれから先はおくさまの読後感想文。また長いです。すみません。

本日ご紹介するのは 佐々木譲さんの『制服捜査』でございます。

制服捜査。_d0012167_14591154.jpg北海道警察を舞台にした『うたう警官』の姉妹編なのかな。

『うたう警官』も『制服捜査』も道警の不祥事問題がその根っ子に絡んでいてそのあおりをくらった現場の警察官たちの物語。

不祥事発覚以降、地元との癒着をおそれる道警本部は警察官を同じ地域や職種に長く留めないで数年で配置転換させるという荒治療人事を実施。
現場での専門性を持ったベテラン捜査員がいなくなり地域の実情に通じた警官もその土地にいなくなる。それも承知の上で・・・





本書は刑事畑で十五年の実績を積み二十五年間の警察官人生で一度も経験のない駐在所勤務への異動命令が下され十勝地方の人口6000人の小さな田舎町に単身赴任した駐在警官・川久保篤巡査部長の物語で5編の連作集。

警察小説が好きでよく読むんやけど駐在さんの物語は初めて。
ほのぼのとした駐在さんを想像してたんやけど、いい意味で裏切られたという感じ。

警察組織の中での駐在さんの立場を始めて知りました。
それに田舎町での駐在さんがひとつ間違うと悪しき習性にまみれちゃいそうなことも・・・

狭い田舎町だからこその独特な人間関係とその力関係は弱者にとって不条理な結果をもたらすことも・・・

赴任早々の事件が色んな角度から不条理なことが重なって初っ端のおはなしはめっちゃ後味も悪くって・・・

いくつかの後味の悪い事件を通してこの町独特の事情が見えてくる。

川久保さんも駐在だからこそ知り得ることのできる地域情報や地域事情の収集のために日々町を走り刑事畑で培った事件性を見抜く目を活かしながら駐在という立場で些細な出来事と向き合いながら治安を守り事件発生後は地道な任務をこなします。

やがて犯罪発生率が管内で最低だという一見健全なこの田舎町の闇の部分が浮き彫りにされます。

最後の五話目はたっぷりとした臨場感。一気に読んだけど辛いお話やった。

川久保さんにとっては不条理な異動だった。
それでも警察組織の中で生きてゆく。
置かれた立場の中で任務を果たそうとする無骨さ混じりの警官魂にちょっとしびれた。
今までどう生きてきたかを決して無駄にはしちゃいけないって思う。
だからこそ、人生を重ねるとどう生きてきたかってのが試されるのかなって思ったりもする。

駐在さんの物語にハードボイルドさを感じて孤独さも感じて面白かった。
けどな、なんか、物語の初っ端は横山秀夫さんの作品を読んでいるかのような錯覚。
最近の警察小説って横山秀夫さんのと比べられちゃう事って多いみたい。なんでやろ。
組織の中の個人を描くと似ちゃったりもするのかなぁ。
ただ、おくさまは佐々木譲さんを読むのなら泥臭さやアウトロー混じりの中で男の正義感がキラリッみたいなのを爽快に感じたいねんな。
そういえば、そんな感じの冒険小説的なロマンチックさみたいなのを全面に発揮した佐々木譲さんの作品を最近読んでへんなぁ~。
by pinko_okusama | 2007-02-07 18:52

専業主婦・おくさまのすてきなはずがすってんころりんな暮らしっぷり。そんなえらいこっちゃでそやけど幸せな日々の記録です。


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