2009年 05月 29日
オリンピックの身代金。
またまた、ご無沙汰いたしました。
3週間もブログをほったらかしにしちゃってしまいました。
自分でも驚いています。
要領の悪い毎日が続いちゃいました。
いわゆる、段取りの悪いやっちゃです。
ヘタこきました。反省~
せっかく遊びにいらしてくれたのにもかかわらず
更新不発の連発で無駄足を運ばせてしまった皆様には大変申し訳ございません。
あぁ~しまったなぁ~
3時のおやつは蟹だった日のおはなし。
とか
節水を心がけすぎカロリーオーバー。
とか
死んだフリした蚊の逆襲。
とか
歯磨きチューブの蓋がスコーン!。
とか
夜になると弱くなる相方の意志。
とか
せこいネタだが、おはなししたいことがてんこもりにあったのになぁ~
それにしても過ぎ去ってみればどれもこれも新鮮さを失ってしまったネタばかりやなぁ~
日の目を見ることも無く以上のネタたちはお蔵入り。
と、いうのには、もったいないような気もしちゃって。あはは。
往生際の悪いやっちゃ。
いずれ、日を改めて、ということで・・・
ひさかたぶりの更新やしぃ。
本日は読後感想文のご披露ってことで、軽くいってみよぉ~
本日ご披露する本は
奥田英朗さんの『オリンピックの身代金』でございます。
好きな作家さんのひとりです。
奥田英朗さんの描く物語の人口密度と怒涛っぷりが大好きです。
伊良部シリーズやら『ララピポ』やら『家日和』やらの短編モノも好きやし、
ちょっと前の『邪魔』やら『最悪』やらの長編モノが好きです。
最近短編モノばかり読んでたので去年の暮れに出た長編の新刊本の
本書を今年のお正月明けに図書館で予約して5ヶ月も待ってやっと順番がきました。
500頁とちょっと、1頁、2段組の長編大作です。
読み始めはこれでもかって感じになんか当時流行ってた固有名詞とかで昭和39年に
引きずり込もうとされてるように感じちゃって読みにくかったんだけどこの物語の主人公の
視点で描かれだしてからは高揚感の高まりを抑えきれずに先へ先へとページが進み
一昨日と昨日で一気に読んじゃいました。
おもしろかったです。満腹です。
東京オリンピックを人質にしてダイナマイトを仕掛け国家から身代金を奪おうとして
爆弾魔になっちゃった東大大学院生の島崎君。
爆弾魔のオリンピック妨害を阻止しようと国家の威信をかけて隠密裏の大捜査で
対立しあいながらも必死のパッチで大奮闘した公安やら刑事たち。
島崎君側の物語と警察側の物語を中心に島崎君に関わった人たちも絡ませて
それぞれに視点を変えて東京オリンピック開催直前の建設ラッシュ真っ只中の夏から
時間を前後しながらおはなしが進み、東京オリンピック開催日に向けて物語はひとつに
重なって大展開してゆきます。
表紙の風景のような当時の様子の想像の幅がずんずんと広がって
東京オリンピック建設ラッシュの砂埃までかぶっちゃったようなじゃりっとした感じも味わいました。
島崎君は秋田の貧しい村の出身でした。
優秀で真面目で家族思いの優しくて素朴な青年でした。
そんな青年がどうして爆弾魔になんかなってしまったのか・・・
その夏、出稼ぎ人夫としてオリンピック建設現場で働いていた長兄が急死します。
それほど仲も良くなかった長兄だったけどふと兄と同じ労働者を体験してみようと思った島崎君は兄と同じ飯場で働き出したことから東京の繁栄とは裏腹に労働者の過酷な条件を目の当たりにします。
東京の豊かさととふるさとの貧しさ、そんな世の中の不公平さに憤りを感じてゆきます。
そして純粋な罪悪感やら正義感やらを抱き国家に一矢報いたい、不公平な世の中を変えたい、
ってなことになるんです。
そこからなんでそっち方向に転がっちゃったのかなぁ~という感じにころりころりと道を踏み外しちゃってゆくんです。
島崎君ならもっと他の未来もあったのに、と、親心的に思っちゃうんだけど。
人間って、大きなきっかけがあったわけでもなく、
どこでそうなってしまったのかを振り出しに戻って考えてみたとしても
いろんなきっかけも重なっていろんな偶然も重なってあっちゅう間に
道を踏み外してしまうその間違った一歩がどこだったのかもうやむやなままに
そっちには転がってはいけないって方向に転がるしかなかったってこともあるものなのかもしれないですね。
ってか、そんなもん、打ったら、あかんで。
奥田さんも、なんぼ、お注射好きやからって・・・
豊かな人、貧しい人、庶民的な人、
東京オリンピック開催直前の足元でいろんな登場人物たちの人間臭さを感じられて、とても興味深かったです。
敗戦後の復興、戦後20年足らずで東京でオリンピックが開催されたってことは
今から思えば当時の国や国民の頑張りには素晴らしいものがあるなって思います。
でも、華やかな舞台の裏側にはきれい事だけでは語れないこともあるし、
当時の国民にも対外的にも隠してきたこともあったんだろうなとある程度の想像はつきます。
本書を読んで、東京オリンピック開催はちょっと頑張りすぎてスピード出しすぎてそこに一生懸命すぎていたけなげな姿も見えてきました。
そのしわ寄せをかぶっちゃって苦しんだ人たちが存在したこと、華々しい繁栄の影にいくつもの犠牲もあったんだという現実、そういう一面もあったんだなってことを深く感じ取れました。
わたしは当時、2歳とちょいのちびっこでした。
日本でも二番目に小さな町に生まれ育ちました。
確かに今から思えば貧乏でした。でもそれは質素な暮らしと言葉を置き換えられますし
貧しくても心豊かだったな、なんて平和ボケした幸せモノだったんだなとも思います。
戦争も知らないですし、オリンピック当時の本当のその時代の姿も知らないのです。
働けば働いただけ豊に暮らせる世の中すらも夢のような気がしてしまいました。
今の世の中にあっても、ふと、そんなことも思ったりもしました。
真面目に一生懸命働くのが日本人なんだもの、働いた分だけ、楽に暮らせればいいのになって
働きもしないわたしがこんなことを言うのもなんなんですけどもね。あちゃちゃ^^;
あれっ、ちょっと、脱線してしまいましたね。
さて、本書に戻りましょう。
島崎君の相棒になるスリ師のおっちゃんがいるんですがそのおっちゃん、いい味出てました。
他にも、たくさん、いい味出してた登場人物がいました。
ひとつの時代があって、たくさんの人たちが居て、世の中があるんだなって思いました。
島崎君は孤独だったと感じます。同世代のお友達はいなかったのかな。
島崎君の心がからっぽになってゆくのがなんだか哀れでした。
この物語はつくり話ですけどもしかしたらあの当時、こういうこともあったのかもしれません。
どんな時代も過ぎ去ってみれば思い出になってしまい、歴史の中の一行の出来事で片付けられてしまうのがちょっと寂しいような気もして・・・
ってか、めっちゃ、主人公の島崎君寄りの感想になっちゃいました。
なんだか、自分の息子みたいな気もしちゃって・・・
こうやってブログに書きたいことを書き出せば書きすぎる。アハハッ^^;
明日はこの本、図書館に返却しなくっちゃ。
次、待ってる人、47人もいるんだ。
お先にゴチになりました!ありがとうございました。
3週間もブログをほったらかしにしちゃってしまいました。
自分でも驚いています。
要領の悪い毎日が続いちゃいました。
いわゆる、段取りの悪いやっちゃです。
ヘタこきました。反省~
せっかく遊びにいらしてくれたのにもかかわらず
更新不発の連発で無駄足を運ばせてしまった皆様には大変申し訳ございません。
あぁ~しまったなぁ~
3時のおやつは蟹だった日のおはなし。
とか
節水を心がけすぎカロリーオーバー。
とか
死んだフリした蚊の逆襲。
とか
歯磨きチューブの蓋がスコーン!。
とか
夜になると弱くなる相方の意志。
とか
せこいネタだが、おはなししたいことがてんこもりにあったのになぁ~
それにしても過ぎ去ってみればどれもこれも新鮮さを失ってしまったネタばかりやなぁ~
日の目を見ることも無く以上のネタたちはお蔵入り。
と、いうのには、もったいないような気もしちゃって。あはは。
往生際の悪いやっちゃ。
いずれ、日を改めて、ということで・・・
ひさかたぶりの更新やしぃ。
本日は読後感想文のご披露ってことで、軽くいってみよぉ~
本日ご披露する本は
奥田英朗さんの『オリンピックの身代金』でございます。
好きな作家さんのひとりです。
奥田英朗さんの描く物語の人口密度と怒涛っぷりが大好きです。
伊良部シリーズやら『ララピポ』やら『家日和』やらの短編モノも好きやし、
ちょっと前の『邪魔』やら『最悪』やらの長編モノが好きです。
最近短編モノばかり読んでたので去年の暮れに出た長編の新刊本の
本書を今年のお正月明けに図書館で予約して5ヶ月も待ってやっと順番がきました。
500頁とちょっと、1頁、2段組の長編大作です。
読み始めはこれでもかって感じになんか当時流行ってた固有名詞とかで昭和39年に
引きずり込もうとされてるように感じちゃって読みにくかったんだけどこの物語の主人公の
視点で描かれだしてからは高揚感の高まりを抑えきれずに先へ先へとページが進み
一昨日と昨日で一気に読んじゃいました。
おもしろかったです。満腹です。
東京オリンピックを人質にしてダイナマイトを仕掛け国家から身代金を奪おうとして
爆弾魔になっちゃった東大大学院生の島崎君。
爆弾魔のオリンピック妨害を阻止しようと国家の威信をかけて隠密裏の大捜査で
対立しあいながらも必死のパッチで大奮闘した公安やら刑事たち。
島崎君側の物語と警察側の物語を中心に島崎君に関わった人たちも絡ませて
それぞれに視点を変えて東京オリンピック開催直前の建設ラッシュ真っ只中の夏から
時間を前後しながらおはなしが進み、東京オリンピック開催日に向けて物語はひとつに
重なって大展開してゆきます。
表紙の風景のような当時の様子の想像の幅がずんずんと広がって
東京オリンピック建設ラッシュの砂埃までかぶっちゃったようなじゃりっとした感じも味わいました。
島崎君は秋田の貧しい村の出身でした。
優秀で真面目で家族思いの優しくて素朴な青年でした。
そんな青年がどうして爆弾魔になんかなってしまったのか・・・
その夏、出稼ぎ人夫としてオリンピック建設現場で働いていた長兄が急死します。
それほど仲も良くなかった長兄だったけどふと兄と同じ労働者を体験してみようと思った島崎君は兄と同じ飯場で働き出したことから東京の繁栄とは裏腹に労働者の過酷な条件を目の当たりにします。
東京の豊かさととふるさとの貧しさ、そんな世の中の不公平さに憤りを感じてゆきます。
そして純粋な罪悪感やら正義感やらを抱き国家に一矢報いたい、不公平な世の中を変えたい、
ってなことになるんです。
そこからなんでそっち方向に転がっちゃったのかなぁ~という感じにころりころりと道を踏み外しちゃってゆくんです。
島崎君ならもっと他の未来もあったのに、と、親心的に思っちゃうんだけど。
人間って、大きなきっかけがあったわけでもなく、
どこでそうなってしまったのかを振り出しに戻って考えてみたとしても
いろんなきっかけも重なっていろんな偶然も重なってあっちゅう間に
道を踏み外してしまうその間違った一歩がどこだったのかもうやむやなままに
そっちには転がってはいけないって方向に転がるしかなかったってこともあるものなのかもしれないですね。
ってか、そんなもん、打ったら、あかんで。
奥田さんも、なんぼ、お注射好きやからって・・・
豊かな人、貧しい人、庶民的な人、
東京オリンピック開催直前の足元でいろんな登場人物たちの人間臭さを感じられて、とても興味深かったです。
敗戦後の復興、戦後20年足らずで東京でオリンピックが開催されたってことは
今から思えば当時の国や国民の頑張りには素晴らしいものがあるなって思います。
でも、華やかな舞台の裏側にはきれい事だけでは語れないこともあるし、
当時の国民にも対外的にも隠してきたこともあったんだろうなとある程度の想像はつきます。
本書を読んで、東京オリンピック開催はちょっと頑張りすぎてスピード出しすぎてそこに一生懸命すぎていたけなげな姿も見えてきました。
そのしわ寄せをかぶっちゃって苦しんだ人たちが存在したこと、華々しい繁栄の影にいくつもの犠牲もあったんだという現実、そういう一面もあったんだなってことを深く感じ取れました。
わたしは当時、2歳とちょいのちびっこでした。
日本でも二番目に小さな町に生まれ育ちました。
確かに今から思えば貧乏でした。でもそれは質素な暮らしと言葉を置き換えられますし
貧しくても心豊かだったな、なんて平和ボケした幸せモノだったんだなとも思います。
戦争も知らないですし、オリンピック当時の本当のその時代の姿も知らないのです。
働けば働いただけ豊に暮らせる世の中すらも夢のような気がしてしまいました。
今の世の中にあっても、ふと、そんなことも思ったりもしました。
真面目に一生懸命働くのが日本人なんだもの、働いた分だけ、楽に暮らせればいいのになって
働きもしないわたしがこんなことを言うのもなんなんですけどもね。あちゃちゃ^^;
あれっ、ちょっと、脱線してしまいましたね。
さて、本書に戻りましょう。
島崎君の相棒になるスリ師のおっちゃんがいるんですがそのおっちゃん、いい味出てました。
他にも、たくさん、いい味出してた登場人物がいました。
ひとつの時代があって、たくさんの人たちが居て、世の中があるんだなって思いました。
島崎君は孤独だったと感じます。同世代のお友達はいなかったのかな。
島崎君の心がからっぽになってゆくのがなんだか哀れでした。
この物語はつくり話ですけどもしかしたらあの当時、こういうこともあったのかもしれません。
どんな時代も過ぎ去ってみれば思い出になってしまい、歴史の中の一行の出来事で片付けられてしまうのがちょっと寂しいような気もして・・・
ってか、めっちゃ、主人公の島崎君寄りの感想になっちゃいました。
なんだか、自分の息子みたいな気もしちゃって・・・
こうやってブログに書きたいことを書き出せば書きすぎる。アハハッ^^;
明日はこの本、図書館に返却しなくっちゃ。
次、待ってる人、47人もいるんだ。
お先にゴチになりました!ありがとうございました。
by pinko_okusama
| 2009-05-29 23:54
| 読みっぷり。