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おくさまのすてきな暮らしっぷり。

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警察庁から来た男。

さすがは師走ですね。
お通夜、3連発でした。

我が家は只今、5000円札不足・・・

5000円で堪忍してくれるんだったらそれでいいのです。
これが10000円包まなきゃならないお付き合いのところやとお通夜だけではすまないし、
これが20000円以上包まなきゃならないお付き合いのところやと相方はお仕事どころじゃありません。
お葬式、お花代、そしてひと七日、その後、三十五日(もしくは四十九日)、
そして、新たな(新盆)、一年、三回忌・・・
なんやかんやと出費も含めて続きます。

まだまだ師走は始まったばかりです。
明日、どんなお電話一本でお札が飛んでいっちゃうかわかりません・・・

あぁ~・・・
やっぱり師走やねぇ~なんやかんやとあわただしいです。

って、
ちょっと、不謹慎なため息がこぼれちゃってしまいました。すみません。



ってことで
今日は朝から雨やら雷やらで大荒れのお天気になりました。

こんな日はなにもすることがいっぱいあるようでないようで・・・

というわけで
読後感想文を書き散らかすおくさまです。

今夜ご紹介するのは佐々木譲さんの『警察庁から来た男』です。

警察庁から来た男。_d0012167_2147341.jpg


この気忙しい師走におもいっきし読後感想を文書き散らかせるおくさまは幸せものです。
相方も今夜は帰ってこないので晩ご飯の支度もしなくっていいからたっぷり書けました。

さらっと読める一冊ですが、シリーズものの第2弾ですのでこの一冊だけで読んでも不都合はありませんがやはりシリーズものは一作目から読むほうが納得して楽しめますよね。
おくさまは第一作目は3年ほど前に読みました。
第一作目は映画化されるとか・・・

映画化されたら観てみたいような気もしたりしなかたり・・・

ってことで、
めっちゃしつこく読後感想文を語ってます。





北海道警察を舞台に描く警察小説。『うたう警官』に続く道警シリーズ第2弾。



うたうとは警察用語では内部告発するという意味なんだそうで警察組織において
うたった警官は組織を売ったとみなされる。

百条委員会で道警の不正について証言した津久井卓巡査部長は飛ばされて
警察学校に配属され8ヵ月が経った。
そんな津久井に北海道警察本部から呼び出しがかかる。

道警本部生活安全部に警察庁から特別監査が入ったのです。
警察庁から来た男が藤川春也警視生。キャリアです。
そしてその付き添いに種田良雄主査。
津久井は藤川から監察の協力を要請されます。

一体、何の目的で監察が入ったのか?
道警は揺れます。
津久井は何故自分が呼ばれたのかを藤川に質問します。
藤川は「あなたは一度うたった警官だから」と率直すぎるほど率直に答えます。
おっしゃるとおり、そうなりゃとことん協力しましょ、と、なるところが津久井さんの男意気。

津久井は藤川たちと行動を共にします。



一方、札幌大通署の佐伯宏一警部補と新宮正樹巡査は
盗まれたものが何も無いという不可解なホテルの客室荒し事件現場に出向きます。
客室を荒らされた男性は半年前、薄野で転落事故で客死したとして処理された会社員の父親でした。
当時の捜査に納得できず再捜査の依頼に大通署へやって来たのです。
半年前のその転落事故に関しては果たして事故で片付けていいのかどうか、疑問を抱いていた佐伯は新宮とともにその事故現場となったぼったくりバーへ向かいます。

藤川が暴こうとする不正と佐伯が追う転落事故の2本立てで物語が進みます。
やがて佐伯さん、新宮さん、そして小島百合婦警、お馴染みのレギュラーメンバーが津久井さんと合流、藤川さんの指揮下に大集結。
彼らは道警内部と暴力団との癒着を浮かび上がらせます。

このシリーズは根っ子には道警の不祥事や組織ぐるみの不正なんかがあるわけですけど
物語がテンポ良く展開し陰湿なドロドロさや余計な力みのないさらっとした感じで読めるから読み疲れることがないから好きです。
そのテンポのよさが佐々木譲さんらしいな。
ちょっといい感じすぎですが・・・
でも、ほんとはもう一歩ズシンとくるとこがあってもいいのになぁ~って思う。
ラストの大捕物劇はなかなか迫力があってカァーっと熱くなったんだけど、
最後の一行で血の気がすぅ~っとひいてゆきました。ぷっ!佐々木さんらしいや。

『うたう警官』は3年ほど前に読んだのですけどどんな内容だったのかほぼ記憶にございませんのですが、この物語のレギュラーメンバーの刑事さんたちがその後、どうなったのかも気にはなってたんですけども、なかなか図書館でこの本を捕まえられなくって。やっと捕まえた(笑)

こんなふうに正義感を持ったプロの刑事さんたちが持味発揮してひとつのチームみたいな感じになって独自の捜査で歪んだ組織の不正を暴くってのがなんかいいな。
まっ、ちょっと、よくできすぎすぎてる感じもして、ありえないかも的展開なんだけど。
ここは読む人の好みが別れるところだと思う。

このシリーズではどんな不祥事が隠されてるのかも気になるところだけど警察内部の不正事実を前に内部の警察官たちがどう行動するかってのも気になるところなんだ。

今回は監察官の若いキャリアがなかなかいいお仕事をしてくれます。
なんてったって、この物語の主人公だもん。
それにどんな男が警察庁から来るのか楽しみだった。
そりゃ、キャリアだもん、ノンキャリアとのズレもどこかあるだろうし、
ノンキャリアの苦労とかわかってないところもあるし。
でも、キャリアだってキャリアとしての苦労とかもあるんだろうし。

監察協力を津久井さんに要請したり現場をしっかり回ったり、なかなかのキレモノ。
道警なのか警察署なのかが仕掛けた色仕掛け接待とかもさらりとかわせるひとだったので高感度「中」ぐらいからラストの犯人追跡劇に「その現場にぼくもいたい。これはぼくの仕事だ」なんてかっこつけちゃったりして危険ですからと警務部長に諭されて「津久井さんがいる」なんて泣かせるような台詞吐いちゃって津久井さんとともに大捕物に参加。
逮捕劇で思わぬ危険に身を晒されてお膝震わせてたところなんかもあってラストまできて高感度「大」。
ちょっと難しい人なのかなと思ったけど柔らか頭のひとでした。
そしてキャリア監察官とはいえ、刑事魂がいい感じでした。
監察官・藤川さんはとっても興味深い警察庁から来た男だった。

警察官だって非番の日とか家に帰れば普通の人なんですよね。
若い新宮さんなんて聞き込み先でも好みの女の子はやっぱり気になるし。
佐伯さんだって小島嬢にアフターケアーとかしなくっちゃいけないし。
ってか、アフターケアーって・・・
もー、佐々木さん、ったら(笑)
現場のノンキャリアの刑事さんたちって安月給なんだろうなぁ~。
定年近くになれば退職後の身の振り方も考えなきゃならないし、私腹、肥やしたい気持ちも・・・わかったらあかんけど、う~ん、なんか哀しいな。

さて、このシリーズ、第3弾はまだかな?
本書でもなんか、まだ、もう一歩踏み込んで確信をついてないような気がして。
佐伯さんと、津久井さんの7年前の命懸けのおとり捜査事件だって後一歩のところでうっちゃられたんでその件についてもまた何か警察内部でごちゃごちゃとあるのかな?

そうそう、『うたう警官』は映画化されるそうです。
大森南朋さん主演だそうです。
NHKの『ハゲタカ』ってドラマに出てたちょっと気になるひとです。
松雪泰子さんがヒロインだとか。ヒロインって、誰の役を演じるのかな?
もしかしたら、『うたう警官』もそうだけどこのシリーズは映像向きなのかもしれないですね。

あっ、『うたう警官』は文庫化されるとき『笑う警官』と改名されたようです。
なぜそうなったのか詳しい事情は知らないけど、何か事情があったのでしょうね。
それでも、やっぱ『うたう警官』でしょ。だって、組織の不正をうたったんだもん。
by pinko_okusama | 2008-12-05 22:23 | 読みっぷり。

専業主婦・おくさまのすてきなはずがすってんころりんな暮らしっぷり。そんなえらいこっちゃでそやけど幸せな日々の記録です。


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