人気ブログランキング | 話題のタグを見る

おくさまのすてきな暮らしっぷり。

okusamayo.exblog.jp
ブログトップ

そりゃ、恋ってのはするもんじゃなくおちるものなんですけども・・・

ってなワケで・・・
江國香織さんの『東京タワー』を読みました。

そりゃ、恋ってのはするもんじゃなくおちるものなんですけども・・・_d0012167_1326254.jpg


十九から二十歳になるまでの数ヶ月間。
大学生の透と耕二の恋愛事情。

映画化されてるんだ・・・ふぅ~ん。

透と耕二は親友なんだけど性格は対照的。
ふたりに共通してるのは年上の女性が好きってこと。
それぞれに年上の人妻女性と恋愛してのめり込んでる。
このふたりの恋愛や好きな女性に対する姿勢ちゅうのかな、それがまた対照的。
それに恋愛相手の人妻も対照的。

この対照的さが結構いい感じのメリハリになっていて退屈しない展開だった。
読み始めはつまんなかったんだけど読んでいてじわじわ迫ってくる恋愛比重のアンバランス感ってのかなぁ~そこんところの匙加減が上手くって読ませるんだなぁ~。


それにしてもどっちもなんか面倒で身勝手な人妻たち。
これ、人妻たち、ズルイ。ズル過ぎるし怖い。怖すぎる。
こんな女性たちって居そうにないけど居そうなの。
だからリアル。





透は心が不健全になっちゃうようなほどのめり込んじゃってるし。
耕二は体が不健康になっちゃうようなほどのめり込んじゃってるし。

純情で一途過ぎるこの男子ふたりがあまりにも惨め。
特に透なんて東京タワーを眺めながら好きな人妻のことだけを考え続けて彼女からの電話だけをただ待ってるだけなんだもん。
それもなんだか現実味もなく実態感もない人妻。
言ってる台詞もカスミ食ってんじゃないかってな人妻。
彼女の台詞はおくさまにとってはちんぷんかんぷんだった。
そんな感じで透の恋は滲んじゃってる。
なんか惨めさが滲んじゃったかのような東京タワーの表紙なんだもんなぁ~
表紙、いい味でてるなぁ~読んでからこその表紙の切なさってな感じだな。

二十歳ぐらいの男子に大人の仮面夫婦に深ぁ~い事情ってのが潜んでいるってことも知らないのも無理無いよなぁ~
大人の女のしたたかさやずるさもそりゃ知らないよねぇ~。
当たり前やよな。まだまだ子供やもん。
それに、同世代の女の子の女心もちっともわかっちゃいないのよね。

なんだか女性たちにとって都合のいい男の子たちになっちゃってるみたいで切なさより哀れさを感じちゃってた。

江國さんってもっと透明感のある切ない恋愛モノを描くひとなのかと思ってたんだ。
けど、文章がつるんとしたいい感じなのになんかすごく残酷な恋愛モノやったと思うんだ。
もしかして江國さんって残酷な人なのかなぁ~って思ったらおくさま的になんだか嬉しくって。

これ、二十歳ぐらいの息子さんがいらっしゃるお母さんが読んだらどう感じるのかなぁ~
小説やからありえないおはなしってことで片付けちゃうのかなぁ~

そんなことを考えながらも彼らの恋愛の行方の危うさについつい読み続けてたらなんとなくよくわかんないまま物語が終了。

ありゃっ?結局どうなっちゃったんだ?
ってな感じで読後は置いてけぼりにされちゃった状態。
あちゃちゃぁ~そやから恋愛モノってよくわかんない。
ってか、恋愛モノの結末なんてどうでもええこっちゃなんだろうな。

なんかでも、二十歳ぐらいの男子には
健やかでそれでいてちょっと切ない恋におちてもらいたいなぁ~
そりゃ、恋に悩んだり苦しんだりもするやろうけど哀れな恋だけはしてほしくないな。
もう少し若さを大切にしてキラキラした恋愛をしてほしいな。
純情な二十歳の頃って過ぎてみれば一瞬のことやもんなぁ~
そんなとこへ大人の女が魔の手を出しちゃダメよねぇ~
おくさまもそんな罪な人妻にならないようにしなくっちゃ。って・・・


カテリーナさんに頂戴した本です。面白かったです。一気に読みました。ありがとう。
by pinko_okusama | 2007-05-30 20:09

専業主婦・おくさまのすてきなはずがすってんころりんな暮らしっぷり。そんなえらいこっちゃでそやけど幸せな日々の記録です。


by pinko_okusama