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おくさまのすてきな暮らしっぷり。

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容疑者Ⅹの献身。

容疑者Ⅹの献身。_d0012167_1246142.jpg月曜日から梅雨の中休みの晴天続きなのですが暑さが強烈で・・・
けど、朝起きたら、晴れていて小鳥たちがピーチコパーチコ鳴いているのを聞けばなんだかちょっと気持ちがいい。

小枝。
夏のココア。
相方のおやつ。
冷蔵庫へ冷やしておきましょう。



ココアっておくさまは少々苦手。
冷たいココアなら何とか飲めそうなんですけど、どうも甘い汁を飲むのは苦手。
甘い汁を吸うのは好きですが・・・。


さて、本日はまたまたおくさまの読後感想文で楽しんでいただきたく・・・

ってね・・・
「余裕やね。オマエねぇ~読後感想文書いている場合とちゃいますけど」
なんちゃって・・・
そう、そのとおり!相方のおっしゃるとおりでございますよ。

お引越しの準備しないとあかんのはよー分かってますよ。
自分の家やのにその間取りも把握してへんってこともよー分かってますよ。
それに、ブログの更新かって滞りがちってことかってよー分かってますよ。

けどな、読後感想文書くのんだけがたったひとつの楽しみやねん。
相方と読後感想文とどっちが大事?って聞かれたらそりゃ・・・むにゃむにゃむにゃ。
せめてこの一冊だけは書かせてよ。
そしたら心置きなく引越し準備に取り掛かるから。

ってことで、また要らん前置きが長くなってしまいました。

では、書いちゃうよ。

本日ご紹介するのは東野圭吾さんの『容疑者Ⅹの献身』でございます。

容疑者Ⅹの献身。_d0012167_12471080.jpg



また、せっしょな終わり方をしてます。
なんでそんな結末を・・・
どうして、どうして・・・
そんなお話でしたけどとっても面白かったのです。

去年、東野圭吾さんは本書で直木賞を受賞しました。
11月に図書館で予約してようやく順番がきたのですが
半年以上も待たされちゃったぢゃないですかっ。
けど、待たされ甲斐がありました。

ってか、おくさまの後、予約待ちの方が179名様。
早く読まなくっちゃ。あせるぜ!ってな感じで読みました。

本書は物理学者の湯川教授とその友人刑事の草薙コンビが難解な事件を解決する探偵ガリレオシリーズ第三弾。

前二作は短編集で『探偵ガリレオ』、『予知夢』は去年の秋に読んだんですけどもね。
トリックの謎が明らかになってもおくさまにとってはさっぱりなんのこっちゃでした。
アハハッ!笑ろてる場合とちゃうねんけどね。
理系科学探偵小説ちゅうのでしょうか・・・
理系知識に欠けるおくさまでも短編の短さを充分に活かした展開の上手さと事件の根っ子に流れる人間関係のどろどろさが上手く絡み合って素晴らしいおはなしばかりでした。
ってか、今となってはどんな内容だったのかさっぱり思い出せないのですけどもね。

さて、本書は長編なのですけどシンプルさが素晴らしいおはなしの展開の見事さで先が気になって、気になって・・・一気読み。
前作を読んでいなくっても問題なしのおはなしでして前作よりも人間ドラマをじっくり味わえるおはなしになっております。

東野圭吾さんって最初から犯人がわかっている物語を描くのが上手いな。
こんな感じの古畑任三郎っぽいおはなしの展開がおくさまは大好きです。


ってことで、ここからが長い長いネタバレ無用のおくさまの読後感想文でございます。






主人公は石神さんって男性。
大学時代は天才数学者と呼ばれた石神さんは家庭の事情などもあって今は高校の数学教師。見た目はちょっと冴えないひとり暮らし。
同じアパートの隣のお部屋に最近越してきた靖子さんに密かに思いを寄せ、靖子さんが働く近くのお弁当屋さんに毎朝、お弁当を買いに通うのだけが楽しみでした。
ある夜、靖子さんと中学生の娘のつましく暮らしているアパートの部屋に押しかけてきた靖子さんの別れた元亭主は復縁を迫り金銭まで要求してきたことから咄嗟に母子はこの元亭主を絞殺してしまったのです。
丁度そのとき隣の一室でその事情を察知した石神さんは彼女たちを完璧に守るために完全犯罪を目論見ます。

初っ端から遣りきれない殺人事件が起こります。
その遣りきれなさがずっと漂ってとことんやるせない。

靖子さんや娘は警察からの追及に石神さんが用意したアリバイを石神さんの指示によって有効的に小出しに主張し草薙刑事たち捜査員が彼女たちのアリバイを崩そうとすればするほど彼女たちの容疑はシロに近くなってゆきます。

さて、石神さんはいったいどんなアリバイトリックを仕掛けたのでしょうか。

そして、石神さんとは大学時代からの旧友で好敵手でもあった天才物理学者の湯川教授は果たして20年ぶりに再会した天才数学者の石神さんの仕掛けた捨て身の鉄壁のアリバイトリックの謎を解くことが出来るのでしょうか。

そんな感じで謎解きも面白く上手い展開でそのトリックが明らかになったときその手も有りだなと思う半面、どうしてそこまでしてしまったんだろうって哀しくもあり・・・


元夫絞殺事件のアリバイ隠蔽工作に無条件で靖子さんと娘さんに協力してくれる石神さんってちょっと異様さも漂っていてもしかしてなんか下心があっていずれ靖子さんに何か要求するんじゃないかとかそんなアホなこと考えちゃってたおくさまは穴があったら入りたい。

数学だけを愛していた石神さんにとってのたったひとつの生きる希望でもあった靖子さん母娘の安らかな暮らしを守るために数学に対する愛情と同じような無償の愛情を命懸けで捧げたのに結局は空回りでしかなかった。
絶望で終わってしまったひとりの孤独な男の献身。
そのせつない純情さが遣りきれなかった。

読み終わってから読後感想文を書いては書きなおしを繰り返していると余計にその遣りきれなさが募ってくるのです。
完全に、後引きずっちゃってます。

なんだかね。靖子さんって女性に魅力を感じなかったのですよ。
どうやら、本書を読まれた方もそう思われてらっしゃる方が多いみたいです。
そこまでの大きな犠牲を支払ってまで守る女性でもないのになぁ~なんて思ったら余計に石神さんのラストの絶望的な悲鳴が痛くって痛くって・・・


犯罪を犯してしまった旧友に対する友情と今まで難事件の解決のためにその知恵を貸してきた刑事との友情に揺れて悩む湯川教授。
湯川教授って今までは難事件や怪事件の謎を解き明かすのを楽しんでいた節もあったんですけど旧友にはその罪だけは犯して欲しくなかっただろうな。
そしてそのトリックの真相に気付いたときの無念さも痛かったろうな。

どうしようもないおはなしでしたけど男の友情ってのにちょっと感動。
その部分だけが救いでもあったしね。

石神さんのような男性の純愛もあるんやろうけど・・・
なんや、不器用すぎるほどの男の純愛って孤独で哀れやな。
ってか、おくさまは数学はちんぷんかんぷんでさっぱりあかんけど
純愛ってのはもっと難解で一筋縄では理解しにくいものなんやね。
報われないから純愛なんやろうか。やっぱり、よー分かんないな。
ってか、純愛やなんて・・・なんや、こそばい(微笑)。

けど・・・
殺人は絶対に犯したらあかんよな。
誰も救われへんもん。
真相が明らかになったとき、やっぱりそこには絶望しかないもんな。

長々と書いちゃいました。
ここまで読んでくださった皆様、いつもありがとうございます。
by pinko_okusama | 2006-06-29 16:32

専業主婦・おくさまのすてきなはずがすってんころりんな暮らしっぷり。そんなえらいこっちゃでそやけど幸せな日々の記録です。


by pinko_okusama