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おくさまのすてきな暮らしっぷり。

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『震度0』を読んで熟年夫婦のあり方まで真剣に考えてしまった。

『震度0』を読んで熟年夫婦のあり方まで真剣に考えてしまった。_d0012167_16312744.jpg


見て!この本の表紙。
この表紙が泣くぜ!って感じの主要登場人物たちでしたが・・・。
読み終わってからこれ、デジカメでパシャリ☆としたんやけど、
表紙がとっても虚しい・・・でもな、そのタイトルは絶妙。


久しぶりに横山秀夫さんの長編を読んだ。
『半落ち』と『クライマーズ・ハイ』の中間の感動でした。
ってか、『半落ち』ではそれほど感動しなかったんですのよ。
そんなに隠さなきゃならないことやったの?状態。血も涙もないおくさま。
でも、『クライマーズ・ハイ』はめっちゃよかった。
人間って、大きなチャンスの前に、弱いものなのよねぇ~なんて共鳴。


横山秀夫さんの組織の中で生きるおっさん達の姿を描いた作品を読むと相方のお帰りを優しく迎えたくなるおくさまです。

48歳のおっさんの相方も組織の中で孤独と闘いながら
仕事をこなして必死に生きているんやなぁって、相方の男の背中にそう感じる。

耳の穴の入り口に毛がはえているとか・・・
足がくっちゃいとか・・・
いい、そんなことは気にしちゃダメ!
組織の中で散々いたぶられ、もみくちゃにされてようやくお家に
疲れて帰ってきた相方ですもの優しく包んであげましょう。

そんなことを思いながらも今夜も先に飲んでるおくさま。虎豆炊いたんよ。
グラスふたつ出てるやろ、もう1個のグラスは亡くなった舅に御供えしたのやねん。
相方~!
どこで飲んでるのか知らんけども、早よ、帰っちょいで。
最後は夫婦やで。なぁ。。。

『震度0』を読んで熟年夫婦のあり方まで真剣に考えてしまった。_d0012167_18502834.jpg







阪神淡路大震災の朝、神戸から700キロ離れたN県警の最高幹部の一人、
警務課長が失踪。何かの事件に巻き込まれたのか?自ら姿をくらましたのか?



未曾有の大震災で大きな被害が出ているってときに、
警務課長失踪による不祥事を公にせずなんとかして
内々で事態を終息させようとする姑息なお話のはじまりに
読みはじめからなんか、すごく、腹が立ってきて
わたくしのちっぽけな正義感が沸々と煮えたぎってきた。

失踪した警務課長を巡って保身や出世のために
姑息な情報戦を庁舎と公舎の狭い密室で展開するN県警幹部達。
あぁ~めっちゃ息苦しい。

誰ひとりとして失踪した警務課長の身を親身に心配することもなく・・・。

情のなさ・・・

巨大組織の中で生きるって凄い孤独。

N県警幹部達のセッコイ駆引き、足の引っ張り合い、疑心暗鬼・・・

巨大組織のトップに立つ幹部連中の人間のちっこさに苦笑しながらも、
ちょっとした失策や疑心暗鬼でびくつく彼らのその内心を笑えるのか自分!
と思っちゃったりもする。

だってな、
これ見て。

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図書館で予約待ちしてやっと手に入った本書やねんな。
予約待ちが、おくさまの後、70人もおるねん。
ごっついプレッシャーやわ。早よ、読まんとあかんわと慌てたねん。
ちっこいな、おくさまも・・・


で、物語は社宅、じゃないや、公舎の妻たちも絡んできて
事態は悪い方へ悪い方へ・・・

横山秀夫にいたぶられる登場人物たちの立場に自分自身も追い込まれて
喘いでいることがある。
そうさせられるのがまたこの作家さんの上手いとこやねんな。


で、散々焦らされて、たどり着いた真相は・・・
上手いことは上手いんやけど・・・
なんちゅうか、凄い分厚い本やのに、その分厚さの中に
なんで、肝心のこの人物をもっと描かなかったのかなぁ~。
ってもったいなさも・・・

けど、ラストの2ページで凄く考えさせられたわ。
う~ん、そう来ましたか。と・・・
この辺りがニクイ!さすがって感じもした。
by pinko_okusama | 2005-12-20 19:15

専業主婦・おくさまのすてきなはずがすってんころりんな暮らしっぷり。そんなえらいこっちゃでそやけど幸せな日々の記録です。


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